スキップしてメイン コンテンツに移動

サラダボウル









生木から削り出し 乾燥させて 漆染め仕上げで作った、深めで大振りなウッドボウル。
「出来上がったサラダを盛り付ける」というよりは、切った野菜などお好みの具材、ドレッシングやスパイスを直接入れて混ぜ合わせるスタイルの「サラダボウル」です。

最近お世話になっている地元の林業家T氏から、「ぶっといクヌギを倒すから近々持っていく」とメッセージあり。
後日 直径50センチオーバーの輪切り材を譲り受けました。
T氏:「クヌギやない、多分アベマキ。」
 私:「うんうん、多分アベマキ、やね。」





娘と年輪を数えてみると、樹齢60年以上。幹のまっすぐな上等なところを木取りしてくれていました。まぐろで言うなら”大トロ”の高級部位。

重たい輪切り材をチェーンソーで切り出し 荒取りし 数日置いていたら割れが入ってきたので、進行中の仕事を止め、アベマキを最優先とし、旋盤加工を進めました。





ふだん作るお椀やお皿より、大きく重くまだまだ水分を含んだ荒取り材を旋盤で廻し、削り屑と水しぶきを浴び削り進める。
あぁ、刃物がアベマキに吸い付くように滑らかに削れる、、、
何かのお導きがあったのか? 気づけば器のフォルムがキマってました。




滑らかに削れるとはいえナメたらあかん 重いアベマキ。
かなりの抵抗感。踏ん張る腰と腕に疲労感。
数日かけてすべてを削り終え、割れないでくれと願い、同時に心地よい達成感。
アベマキは乾燥を進めながら少しずつ歪んでいき、お導き通り割れずに安定期に入りました。






そもそも、なぜこんな形のサラダボウルを作りたかったのか? 
大皿に盛られたサラダが好きだから。
それを取り分けながらみんなで食べるのも好き。

それ以上に、ある体験がその引き金となっているのです。







数年前のある日、「ご飯食べに来てよ!」とお誘いを受け ビール手土産に伺った とあるお宅。大きなお家のキッチンではご夫婦で宴の準備中。
ご主人:「もうできるからね」
棚から深めのウッドボウルを持って来て、手でちぎったレタスやほうれん草、ベビーリーフや何だったかいろんな野菜をどんどん入れて、茹でたエビも放り込んで。
ご主人:「このボウルええやろ、日本でこんなん売ってへん」と言いながら手を洗い、次にオリーブオイル、岩塩、スパイス、ナントカ?チーズ などなど持って来て 景気良くふりかけて、用意されていたサーバースプーンアンドフォークでボウルの底からすくいあげるように混ぜ出した。
深いウッドボウル、そうやって大胆に混ぜられるのにビクともせず、どしん と安定していたのでした。




 ご主人:「こんなん作ったら喜ぶひと多いんちゃう?」
 私:「ほんまですね いつか作りますわ、材料手に入ったら!」
T氏と何かのお導きで、ようやく楽しい宴で出会ったサラダボウルを作ることができました。

!注意!「アベマキ」は木の名前ですので誤解の無きようお願いいたします。











左から順に
サラダボウル SA・・・直径23cm 高さ19.5cm ¥38,500
サラダボウル SB・・・直径20cm 高さ15.5cm ¥27,500
サラダボウル SC・・・直径21cm 高さ14.5cm 27,500
サラダボウル SD・・・直径20cm 高さ13.5cm ¥27,500
サラダボウル SE・・・直径22cm 高さ13cm ¥27,500
サラダボウル SF・・・直径26cm 高さ11.5cm ¥44,000

*樹種は「アベマキ」(SFのみ桜)